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令和 2年第372回定例会(第4号12月 3日)

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  1. 愛媛県議会 2020-12-03
    令和 2年第372回定例会(第4号12月 3日)


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    令和 2年第372回定例会(第4号12月 3日) 第372回愛媛県議会定例会会議録  第4号 令和2年12月3日(木曜日)   〇出席議員 47名   1番  中 田 晃太郎   2番  山 崎 洋 靖   3番  石 井 智 恵   4番  中 野 泰 誠   5番  西 岡   新   6番  菅   森 実   7番  浅 湫 和 子   8番  大 政 博 文   9番  新 田 泰 史   10番  黒 川 理惠子   11番  武 井 多佳子   12番  田 中 克 彦   13番  西 原   司   14番  塩 出   崇   15番  高 橋 英 行   16番  川 本 健 太
      17番  帽 子 大 輔   18番  大 石   豪   19番  菊 池 伸 英   20番  古 川 拓 哉   21番  兵 頭   竜   22番  松 下 行 吉   23番  宇 高 英 治   24番  大 西   誠   25番  松 尾 和 久   26番  木 村   誉   27番  石 川   稔   28番  梶 谷 大 治   29番  西 田 洋 一   30番  福 羅 浩 一   31番  三 宅 浩 正   32番  徳 永 繁 樹   33番  笹 岡 博 之   34番  鈴 木 俊 広   35番  毛 利 修 三   36番  赤 松 泰 伸   37番  本 宮   勇   38番  高 山 康 人   39番  戒 能 潤之介   40番  渡 部   浩   41番  越 智   忍   42番  横 田 弘 之   43番  西 原 進 平   44番  中 畑 保 一   45番  明 比 昭 治   46番  岡 田 志 朗   47番  森 高 康 行   ―――――――――― 〇欠席議員 なし   ―――――――――― 〇欠  員 なし   ―――――――――― 〇出席理事者  知事         中 村 時 広  副知事        田 中 英 樹  公営企業管理局長   佐 伯   隆  総務部長       高 石   淳  企画振興部長     金 子 浩 一  スポーツ・文化部長  大 北   秀  防災安全統括部長   福 井 琴 樹  県民環境部長     岸 本 憲 彦  保健福祉部長     高 橋 敏 彦  経済労働部長     東 野 政 隆  農林水産部長     馬 越 史 朗  土木部長       葛 原 健 二  会計管理者出納局長  菅   規 行  教育長        田 所 竜 二  副教育長       仙 波 純 子  人事委員会委員    山 本 惠 三  公安委員会委員    増 田 吉 利  警察本部長      篠 原 英 樹  監査委員       永 井 一 平  監査事務局長     井 関 浩 一   ―――――――――― 〇出席事務局職員  事務局長       小 坂 泰 起  事務局次長      矢 野   等  参事総務課長     松 本 賢 固  議事調査課長     鳥 生 敬 央  議事調査課主幹    二 神 裕 志   ―――――――――― 〇本日の会議に付した事件  定第123号議案ないし定第126号議案、 定第128号議案ないし定第141号議案 ┌────────────────┐ │(注)議席番号は、新型コロナウ │ │   イルス感染防止対策として │ │   間隔を空けて着席するため │ │   に設けた議席を含めた臨時 │ │   の番号である。      │ └────────────────┘      午前10時 開議 ○(戒能潤之介議長) ただいまから、本日の会議を開きます。  本日の会議録署名者大西誠議員西原司議員を指名いたします。    ――――――――――――――――― ○(戒能潤之介議長) これから、定第123号議案令和2年度愛媛県一般会計補正予算ないし定第126号議案及び定第128号議案ないし定第141号議案を一括議題とし、質疑を行います。 ○(黒川理惠子議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 黒川理惠子議員   〔黒川理惠子議員登壇〕 ○(黒川理惠子議員) (拍手)おはようございます。  自由民主党、黒川理惠子でございます。  新型コロナウイルス感染によりお亡くなりになられた方へお悔やみと、感染者の方へお見舞いを申し上げます。また、医療関係者や知事はじめ職員ほか皆様の、休む間もない御尽力に心から感謝申し上げます。  感染拡大により閉塞感はあるものの、社会変化のスピードが増し、行政も企業も個人もこの流れに乗り遅れまいとしているように見えます。昔、地球温暖化説が広がり、先行きの不透明な時代に入ったと言われた1996年、私は、文部科学省中央教育審議会が唱えた不易と流行を見据えた生きる力教育に、震えるような感動を覚えました。それから、不易と流行は私の視点となりました。不易とは、どんなに社会が変化しようとも、時代を超えて変わらない価値のあるもの、流行とは、時代の変化とともに変えていく必要があるものです。この新型コロナ感染拡大下において、不易と流行の見極めがさらに重要になっていると感じます。そのような不易と流行という視点から、今回の質問をさせていただきます。  まず最初に、事業承継の取組についてお伺いします。  今後、日本では、中小企業の大廃業時代を迎えると言われています。東京商工リサーチによると、2018年の休廃業、解散企業は、過去最多の4万6,724件を記録し、今年は新型コロナの影響もあり、過去最多を上回るペースとなっています。また、中小企業後継者不在率についても、今年の調査では57.5%と半数を超え、国によると、後継者不足による廃業は、今後さらに加速し、10年ほどで70歳を超える経営者のうち127万人が後継者未定となると予測しており、この現状を放置すると、2025年までにGDPは約22兆円、雇用は約650万人失うとされ、本来残っていくべき企業も廃業せざるを得ない状況となっています。  さらに、近年、日本では最低賃金が上昇し、政府は早期に全国平均1,000円を目指すとしております。それに伴い、コスト上昇により生産性の高くない企業は苦境に立たされ、生産性の高い企業が生き残っていくという社会に変わっていくと思います。私は、日本経済にとって、企業の体質強化を図り、世界との競争力を備えていくこの流れは正しいと思っております。しかし、先ほど申し上げたとおり、本来残るべき企業が後継者問題により、廃業に追い込まれることは、日本経済にとって大きな損失となります。  このため、国では、中小企業事業承継のための支援策を様々打ち出し、県内でも、松山商工会議所えひめ産業振興財団が国から事業を受託しており、また、金融機関、商工団体、民間団体などへも、それぞれ支援が行われています。大まかに言うと、第三者承継やM&Aのマッチングについては、売上げ3億円以上の企業を民間が、それ以下は松山商工会議所事業引継ぎ支援センターが、親族承継、従業員承継第三者承継に関する需要発掘、企業の実情に応じた個別支援などはえひめ産業振興財団県事業承継ネットワークが、それぞれ担当することが多いようです。  しかし、これらの機関に共通する課題は、後継者がいないことが会社の信用に関わる問題であり、企業にとって非常に繊細な話であるため、そういった事業所を特定することが困難で、相談があって初めて支援の必要性が判明するので、全体像が把握できないことです。そして、経営者としては、たちまち破綻してしまう問題でもないため、どうしても先送りとなりがちであります。  一方、サラリーマンは、AIや機械に取って代わられるとともに、消費者の価値観の変化に伴い、企業は柔軟な経営が必要となってきている中、昨年、トヨタ自動車の豊田章男社長日本経団連中西宏明会長らが相次いで、終身雇用を前提に企業運営、事業活動を考えることは限界が来ていると発言されましたが、そこには日本型雇用システムから脱却しないと手遅れになるという危機感があります。こうした時代の変化により、サラリーマンのリストラが増加するのではないかと懸念されております。  しかし、転職を余儀なくされた方々の中には、経営計画にのっとって予算を立て、必要な人員計画や業務計画をつくるなどのマネジメントスキルにたけた人材も多くいます。そこで、県では、これまでも事業承継の促進に向け、移住支援起業支援との連携も図っておられますが、転職を考えているサラリーマンにも、事業承継による就業を積極的に提案していただきたいと考えています。そうすることで、サラリーマンによる第三者承継の促進につなげられます。  私はこれまで、起業家精神を持ち、ビジネス案はあるものの、経験や人脈不足により起業まで至らなかった人を多く見てきました。千三つという言葉があるように、ベンチャー企業の成功率は0.3%ほどしかありません。この低い成功率を考えると、まず、業種の近い企業に後継者候補として入り、その企業でノウハウや地元とのつながりを学び、後継してから、新たな事業展開として、本来やりたかった事業に取り組むほうが成功率は高い上に、その企業の経営も新しい時代に即した形態に変化していくことが期待できるのではないかと考えます。  そのため、県におかれましては、事業承継に関わる関係機関が持つ後継者のいない事業所についての情報連携を促進していただき、優秀なサラリーマンと地方の後継者のいない企業とのマッチングを進めていく仕組みが求められていると思うのであります。  そこで、お伺いします。
     このように、中小企業を取り巻く環境が変化する中、県は今後、事業承継にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、テレワークの推進についてお伺いします。  人材サービス大手のエン・ジャパンの昨年の調査によると、5年ほど前から、育児や介護を理由に転勤が難しいという社員が増加し、転勤が退職を考えるきっかけになっているとの回答が6割に達するとされています。一方、AIG損保では、昨年4月から、基幹社員の転勤の原則廃止に踏み切り、勤務地を社員が選べるようになりました。女性はこれまで、結婚や子育てを理由に転勤をためらう例が多かったのですが、転勤をせずに済むのであれば、キャリア形成の可能性がぐんと広がるものと期待しています。  四国内でも、四国生産性本部の今年の調査によると、会員企業では67.1%がテレワークを導入し、コロナ終息後も7割が継続するとのことでした。今回の新型コロナの影響で、テレワークが急速に企業の働き方の常態になりつつあるようです。テレワークは、子育てや介護をしながらも仕事を続けられるといった従業員の多様な働き方を提供するだけでなく、障がい者や高齢者、育児中の女性などの通勤弱者の方に対する雇用機会の拡充の手段としても期待されております。  今後、行政に求められるニーズは、複雑かつ多様化していきます。それらに的確に対応していくには、県としても、幅広い人材の確保が必要と考えており、県庁内でのテレワーク可能な業務を抽出し、積極的なテレワークの活用により、通勤弱者の方々の雇用拡大につなげていただきたいと思うのです。  全国の市区町村では、今年3月時点でテレワークの導入状況は全体の3%でありましたが、本県は、1年前に先んじてテレワークの導入を開始しておられ、今回のコロナ禍も相まって、さらにテレワークの利用が県庁内に広がっているんではないかと推察いたします。  そこで、お伺いします。  県庁業務において、テレワークをどのように推進していくのか。また、今後、テレワークの推進などによる通勤弱者雇用拡大も含め、人材の確保にどう取り組んでいかれるのか、お聞かせください。  また、県では、8月補正予算で計上したサテライトオフィス誘致環境整備支援事業テレワーク移住者誘致促進事業により、県内への企業のオフィス誘致テレワーク移住受入れ環境整備を積極的に推進しておられます。国においても、令和3年度予算の概算要求を見ますと、テレワーク推進に取り組む自治体への支援とテレワークを制度化する企業や在宅勤務用の自宅のリフォームへの補助などが計上されており、これから国全体で東京一極集中の是正に向けて、企業の地方移転やテレワークの推進の動きが活発化してまいります。  人口減少に直面している本県にとって、これは好機と言えます。社会にテレワークが定着してくれば、首都圏から離れた地方でも、仕事が可能となる企業も増えてきます。ぜひ、この機に多くの企業を本県に誘致していただきたいのです。そのためには、県内にテレワークが支障なく行える環境があり、住みたい、住み続けたいと思わせる地域の魅力があることが大前提となりますが、時期を逸しないためにも、本県へ立地した場合の優遇策などの充実や、地方移転やサテライト化を検討している企業に対して、本県が持つ優位性などの発信の強化に取り組んでいただきたいと思うのであります。  そこで、お伺いします。  新型コロナの影響や国が進めるデジタル化の動き等により、今後、一層テレワークが浸透してくるものと想定されますが、県では、テレワークの普及により社会の変化をどう捉え、本県への企業誘致に向けて、どう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、新型コロナウイルスが子供の教育に与える影響についてお伺いします。  新型コロナの収束が見られない状況にあって、教育のデジタル化をめぐり、河野行政改革担当相平井デジタル改革担当相萩生田文部科学相との間で論議がなされています。一つは、教員による直接指導を必須とせず、勉学のできる子供は、遠隔授業でも正式な授業を受けたとみなし、どんどん先に進ませ、子供の潜在能力の開放を重要視する行政改革、デジタル改革の立場での考えと、もう一つは、映像を見せるだけでは教育したとは言えず、子供の習熟度や理解度を深めるための教師との接触や、学友と同じ教室で学ぶことを重視する立場での考えであります。  新型コロナ感染拡大により、世間一般にソーシャルディスタンスが必須となっております。そのため、人と人との関わりが希薄となり、そのことが社会へ与える副作用は多々あると考えています。その中には、取り返しのつくものと決して取り返しのつかないものとがありますが、取り返しのつかないものとして、子供の人間形成が挙げられます。  子供は、親の密着や教師との温かい接触などを通じて、心と体が発達します。その愛着形成が子供の情緒的かつ社会的な発達に不可欠というのは科学的定説であり、また、家庭で親による愛着形成がなされにくい子供ほど、教師による接触が子供の発達に大きな影響を与えているとの調査結果もあります。  ところが現在、学校教育の現場においては、感染予防のため一定の距離が取られたり、校内で会話する機会が減少したりしているほか、様々な学校行事が縮小、中止されるなど、人との接触機会が以前より少なくなっております。また、今後、1人1台端末の導入により、対面ではなく、オンラインでの交流に切り替わる場面も増えると思います。  このまま物理的な接触が以前に比べ少ない状態が続くと、子供はどのようなことになるでしょうか。今、発達段階にある子供は、これまで当然受けてきた人間形成のために不可欠な要素を得ることができず、子供の社会性に影響が生じてしまうかもしれません。  こうした中、新型コロナ感染拡大を防止するため、一定の学校生活上の制約はやむを得ず、デジタルツールの活用も積極的に取り入れるべきと考えておりますが、一方で、取り返しのつかない子供の発達に不可欠な人と人との接触の機会は、特に小中学校の段階では、子供の健全育成の観点からも可能な限り確保すべきと思うのであります。  そこで、お伺いします。  県教育委員会では、新型コロナを契機としたデジタル化などの教育の変容が子供に与える影響をどのように捉え、教育活動の充実にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  次に、里親委託の推進についてお伺いします。  平成28年に児童福祉法が改正され、子供の養育を施設から里親などの家庭的環境で養護するよう、家庭養育優先の原則が明記されました。そして、県においても、今年3月に策定された県社会的養育推進計画の中で、里親委託率の目標が挙げられています。  本県では以前、里親委託率が全国下位でありましたが、30年には中位に向上するなど、御努力いただいていることに感謝申し上げます。中でも、新生児里親委託については、他県ではまだまだ取組が遅れているところを、本県では、関係機関等との連携の上、積極的に推進しておられます。  一方、欧米諸国からは、日本の児童養護施設は批判の対象となっております。特にゼロ歳の子供のための乳児院では、乳児に対してスタッフの数が不足しているため、赤ちゃんの訴えに対し、1対1で応える体制が十分に取れない現状があります。赤ちゃんの投げかけに1対1で応え、愛着形成を行うことは、その後の人格形成のための基本であり、人生に大きな影響を与えます。  31年2月議会の川本議員の質問でも、世の中には、本人に瑕疵のない予期せぬ妊娠に苦しむ女性もいて、新生児里親委託は、そういった理由で妊娠中の実母が安心して出産を迎えることができ、子供も生まれた直後から特定の大人と愛情関係を結ぶことができ、養親が自然に親子関係を築ける三方よしの制度と述べられております。私も強く共感するものであります。幼いときから特定の大人が養育することによって、たとえ実子でなくとも、かけがえのない存在としてお互いに愛着形成がなされるわけです。  そのような中、せんだって、菅総理が、不妊治療の保険適用について触れましたが、15年の厚生労働科学特別研究において、実際に不妊治療を受けている方は、推計で56万1,500人となっていましたが、その後13年間で、国内の体外受精や顕微授精等生殖補助医療の治療は4倍以上に増加しているとのことです。不妊治療を受ける方々が増加してきていることを考えますと、その方々の選択肢の一つとして里親委託を考えることができれば、今よりずっと気持ちが楽になると思うのです。  そこで、お伺いします。  県では、家庭養育優先の原則の下、里親制度の普及、推進に取り組んでおられますが、不妊に悩む方々も含め、あらゆる機会を通じて広く里親制度を知っていただくことが重要と考えておりますが、県では、生殖補助医療の状況をどう認識し、今後、里親制度の周知・啓発にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  欧米では、養子縁組は当たり前であり、日本でも、今も増え続けている子供への虐待を考えると大いに進めていかなければなりません。以前、私は里親会で、新生児里親の親子2組にお会いしましたが、子供が何をしてもかわいくて腹が立たないとおっしゃられ、その幸せそうな様子にこちらも胸が温かくなりました。何より親になる者と子供の双方が幸せになることが一番でありますことから、県におかれましては、特別養子縁組を前提とした新生児里親委託をなお一層進めていただきたいと思うのです。  そこで、お伺いします。  母子双方の安心感につながる新生児里親委託について、本県の現状と今後の取組方針はどうか、お聞かせ願います。  最後に、子育て世代包括支援センターの充実についてお伺いします。  前回の登壇時にも質問させていただきましたが、国では、合計特殊出生率の向上や児童虐待の防止につながることを期待して、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供できる子育て世代包括支援センターを本年度末までに全国展開することとしています。県内では現在、2市1町を除いて運営を開始しております。  このセンターのモデルとなっているフィンランドのネウボラの特徴は、1、全ての子育て支援ワンストップ窓口であること、2、妊娠期から6歳までの期間、同じ保健師が同じ親子の担当を一貫して継続すること、3、精神保健の観点から、対話が支援の中心であり、産前産後は月数回、その後は毎月面接を行っていること、4、国民の誰もが知っており、妊娠してから常時当たり前に通う場所であること、5、母子の心身の状態だけでなく、家族など取り巻く環境も把握していること、6、手厚い産後ケアが行われていることなどが機能にあります。  しかし、日本におけるセンターには、この6つの機能が備わっているわけではなく、県内では、主に母子健康手帳交付の聞き取りで実情を把握することと、産後ケア事業のみにとどまっているセンターが多いのが現状です。しかも、産後鬱の防止に重要なサポートとなる産後ケア事業の利用料には、市町間で5倍以上の開きがある上、昨年の利用実績を見ても、各市町10名程度であり、積極的に利用されているとは言い難い状況にあります。  産後鬱は、昔から血の道と言われる神経の病として知られており、親子の愛着形成の妨げにもなり、最悪の場合には虐待に至ることもあります。産後2週間から数年の間に10%から15%の妊産婦に起こり、症状が進行してくると、産褥精神病になることもあります。さらに幻覚、異常行動などを起こすこともあり、治療が必要になります。  また、筑波大学の調査では、コロナ感染拡大後、国内では産後鬱が倍以上に増えている可能性を指摘しています。感染を恐れ、里帰り出産がしづらくなったり、生活困窮などが原因とされ、コロナ禍が産後鬱を助長している状況にあると言えます。  そのような中、子育てにおいては、産後直後から一月は育て方が分からず、授乳などで悩み、気持ちが落ち込みやすい時期になりますが、そのときに話を聞いてもらうことやアドバイスをもらうことで乗り越えることができます。  厚生労働省が考えるセンターの事業には、出産後間もない産婦の心身健康状態を把握する、産婦に産後適切なケアをする産婦健康診査事業があります。私は、産後鬱を防ぐためには、希望者のみが利用する産後ケア事業だけでは十分とは言えず、全ての産婦に受診券を配付して産婦健康診査を行うことが有効と考えておりまして、既に宇和島市ほか3町では、産後2週間と1か月の2度、産婦健康診査を実施しておられます。このように、ぜひほかの市町においても、センターのさらなる充実が図られるよう、県のリーダーシップを期待するものであります。また、センターの機能全体の底上げには、さらなる国からの財政支援は不可欠ですので、国に対して県からも働きかけていただきたいと願うものであります。  そこで、お伺いします。  妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供するため、県は、産婦健康診査の重要性をどう認識し、今後、子育て世代包括支援センターの充実にどう取り組んでいくのか、お聞かせください。  以上で質問を終わります。  御答弁のほどよろしくお願いいたします。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 黒川議員に、まず、中小企業事業承継についての御質問にお答えをさせていただきます。  新型コロナ感染拡大に伴う業績悪化により先行きが見通せない中で、経営者の高齢化や後継者不足等の問題を抱える県内中小企業が、事業継続の意欲をなくし、廃業を選択するケースが増加するのではないかと大変懸念しており、事業承継のより一層の円滑化を図ることは、雇用の確保を含む産業活力の維持・拡大に向けた喫緊の課題と認識しています。  このため、県では、えひめ産業振興財団と協力して、商工団体金融機関等38の機関で構成いたします愛媛県事業承継ネットワークを組織し、後継者未定企業への気づき喚起や税制優遇等支援施策の浸透を図るセミナーを開催するとともに、承継を検討する企業の計画作成を312件支援してきた結果、これまで54企業が円滑な事業承継を行っているところでございます。  また、財団に配置した第三者承継専門のコーディネーターが、首都圏で開催される交流イベント等で、サラリーマンを含む移住創業希望者に事業承継を見据えた転職を提案しているほか、松山商工会議所の後継者人材バンクと連携した創業希望者と後継者不在の事業者のマッチング支援を行うなど、第三者承継の促進にも努めているところでございます。  今後とも、各支援機関と連携し、経営者の気づきの促進から承継、さらには第二創業まで切れ目ない支援を行うことにより円滑な事業承継を促進し、地域経済の持続的な発展につなげてまいりたいと思います。  次に、テレワークの普及に関する御質問でございます。  東京都の調査によりますと、都内企業のテレワーク導入率は、3月から4月にかけての1か月間で2.6倍増の63%に達しており、従業員の感染防止対策として、場所や時間の制約を受けない柔軟な働き方が広がっていることは確かだと思います。  また、企業活動のリスク回避のため、都市部企業が地方へ移転する動きが見られますことから、県では、受入れ環境の充実と本県の強みを生かした誘致活動に取り組んでおります。ただ全ての企業、業態があまねく導入が可能というわけではないと思いますので、業種ごとに分析を行い、ターゲットを絞っての誘致活動が大事だと思っております。  具体的には、都市部の企業の従業員が、本県で支障なく働けるテレワークに適した環境を整えるため、通信環境が整ったコワーキングスペースやシェアオフィスなど、企業進出の受皿となる施設整備のための補助制度を8月補正予算で創設し、今年度末までに11か所の整備が完了する予定であるほか、先日、本県にゆかりのある首都圏ICT企業10社とのオンライン交流会を開催し、本県の立地、居住環境のよさなどの魅力をPRしたところでございます。  今後は、南予地域でのワーケーション誘致の取組との連携をはじめ、コワーキングスペース等を運営する民間事業者のネットワークや営業力を活用。さらには、転入者の現地での生活開始を県・市町が一体となって支援する仕組みづくりにも取り組み、多くの首都圏企業等のサテライトオフィスの設置、ひいては本社機能の移転等につながるよう、取組を進めてまいりたいと思います。  その他の問題につきましては、関係理事者の方から答弁させていただきます。 ○(高石淳総務部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高石総務部長   〔高石淳総務部長登壇〕 ○(高石淳総務部長) テレワークの推進に関する御質問のうち、県庁での取組についてお答えいたします。  テレワークは、場所にとらわれず、時間を有効活用できる柔軟な働き方を可能とし、職員の仕事と家庭生活の両立や労働生産性の向上、コロナ禍における感染拡大防止や業務継続性の確保等に有効であると認識をしております。  このため、本県では、職員のテレワーク利用について、今年度、端末の増強や運用の見直しを図りますとともに、8月から11月をチャレンジ月間に設定し、在宅勤務等の実践による職員の意識改革にも努めるなど、ハード・ソフト両面から素地づくりに取り組んでおり、新しい働き方改革の一環として、引き続き積極的に推進することとしています。  また、これまでもテレワークや時差出勤の導入などにより、育児、介護を行う職員や障がいのある職員をはじめ、職員の通勤負担の軽減に取り組んできたところであり、これら制度のさらなる活用を促進するなど、個々の事情に応じた柔軟な働き方をより一層進めることにより、魅力ある職場づくりに努め、多様な県民ニーズに対応した行政サービスを支えられる人材の確保につなげてまいりたいと考えています。  以上でございます。 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高橋保健福祉部長   〔高橋敏彦保健福祉部長登壇〕 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 里親委託の推進の御質問のうち、まず、生殖補助医療の状況、里親制度の周知・啓発の取組についてお答えいたします。  本県の生殖補助医療を行う8医療機関での治療件数は、平成25年に1,083件であったものが、30年には1,652件と約1.5倍に増加しており、そのうち妊娠に至った割合は約24%となっております。生殖補助医療は、治療を受ける方にとって、身体的にも経済的にも大きな負担がかかる一方で、妊娠の希望がかなわない方もいまだ多くおられる現状があることから、県では、不妊に悩む方々を支援するため、専門相談や高額となる治療費の負担を軽減するため、費用の一部助成を行っているほか、現在、助成制度の拡充や保険適用に向けた国の動向を注視しているところでございます。  また、県では、里親制度の普及のため、毎年10月の里親月間における街頭啓発等の広報活動や、一般県民を対象とした講演会等を適宜開催し、周知・啓発に取り組んでいるほか、産科医療従事者へ出産後の養育困難の事情がある場合は、代替養育の方法があることなどを周知しており、実子でなくとも子供を育てたい方々と子供を結び合わせることとなる里親制度について、今後とも、一層の理解促進に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、新生児里親委託についてお答えいたします。  国では、家庭養育優先原則の下、里親等委託や特別養子縁組の増加を目指しており、県でも、平成29年度から、福祉総合支援センターに里親担当の専任職員を配置して、新生児里親委託のきめ細かな相談支援等に努めるとともに、本年3月には県社会的養育推進計画を策定し、特別養子縁組を積極的に促進しているところでございます。  また、新生児里親委託については、児童相談所で取組を始めた平成25年度から令和元年度末までの委託22件全てについて、委託後の特別養子縁組が成立または成立見込みとなっております。  本県では、家庭的な養育の推進と子供の愛着形成を図り、子供の安全確保を最優先とした新生児里親委託を進めており、望まない妊娠など出産前後に支援が必要な妊婦に対する有効な支援方法の一つでもあることから、今後とも、児童相談所が中心となり、個別事情に十分配慮した上で、地域の保健や医療機関等と連携し、子供の最善の利益につながるよう、里親委託の一層の推進に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、産婦健康診査子育て世代包括支援センターの充実についてお答えいたします。  産婦健康診査は、産後鬱や新生児への虐待を予防する観点から、出産後間もない時期の産婦に対し、身体機能の回復や授乳の状況及び精神状態の把握等を行うもので、母子に対する妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援の一環として、コロナ禍においても非常に有効な事業であると認識しており、全市町での実施に向け、事業の必要性を説明しているところでございます。  また、子育て世代包括支援センターは、これまで17市町で設置されておりますが、県では、全ての市町への設置を促進するため運営費の支援などを行っており、未開設の3市町においても、設置に向け準備が進められているところでございます。  センターにおいては、地域の医療機関等と十分に連携を図りながら、産婦健康診査をはじめとする各種事業が円滑に実施されることが重要であるため、全国知事会を通じ、センターの運営に係る財政支援の充実を引き続き国へ要望しており、今後とも、市町や関係機関と連携し、センターの充実に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(田所竜二教育長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 田所教育長   〔田所竜二教育長登壇〕 ○(田所竜二教育長) コロナ禍による教育の変容が与える影響と対応についてお答えをいたします。  学校教育の主たる目的は、学習機会や学力の保障にとどまらず、教師や子供たち相互の触れ合いを通して、児童生徒の人間性を全面的、調和的に発達させることにあります。  コロナ禍により人と触れ合う機会が制限され、児童生徒の人間形成への影響が懸念される今、県教育委員会では、子供たち一人一人と丁寧に向き合う対面指導や協働学習、学校行事等による集団活動などの効果や重要性を再認識しており、学校現場では、感染症対策を徹底し、様々な工夫を重ねながら、その機会の確保や実施に向け、日々全力で取り組んでいるところでございます。  同時に、学校休業や病気などで登校できない場合の学びを確保する有効な手段となるICT教育は、距離を越えた交流や映像、音声を取り入れたデジタル教材の活用による学びの広がりなど、従来型では得られない高い教育効果が期待されております。  県教育委員会では、対面や集団による学びとICT教育を対極的なものではなく、補完し合うべきものとして捉え、互いの特性を効果的に組み合わせたハイブリッド型の教育を推進していきたいと考えております。  このため、今後は、ICTを学校活動全般で幅広く活用する中で、人と人とのつながりや触れ合う機会の創出にも生かしていくなど、変わらないものと変えるものとの融合を図りながら、教育活動の一層の充実に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(戒能潤之介議長) 暫時休憩いたします。      午前10時45分 休憩    ―――――――――――――――――      午前10時59分 再開 ○(戒能潤之介議長) 再開いたします。  質疑を続けます。 ○(武井多佳子議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 武井多佳子議員
      〔武井多佳子議員登壇〕 ○(武井多佳子議員) (拍手)ネットワーク市民の窓の武井多佳子です。  一般質問を行います。  昨年末から世界中に広がった新型コロナウイルス感染症の一日も早い収束を願いつつ、一般質問いたします。  まず、コロナ禍における女性への影響についてお伺いいたします。  11月19日、新型コロナウイルス感染拡大が女性に及ぼす影響を議論する内閣府の有識者研究会は、橋本男女共同参画担当大臣に緊急提言を提出しました。その提言の中で、新型コロナ感染拡大は、特に女性への影響が深刻であり、女性不況の様相が確認される。2020年4月には、非正規労働者の女性を中心に、就業者は男性の約2倍、対前月70万人の減少で、女性の非労働力人口は、男性の増加幅の2倍に増加した。DV、性暴力の増加・深刻化、予期せぬ妊娠の増加が懸念され、10月の女性の自殺者は速報値で851人と、前年同月と比べ、増加率は8割に上るとし、DV、性暴力、自殺等の相談体制と対策を早急に強化する、エッセンシャルワーカーの処遇改善等を十分配慮する、感染症に伴う差別的な扱いの解消に向けた取組を進める、ひとり親家庭への支援を強化するなど8項目への取組を求めています。  愛媛県においても、感染拡大第3波の中で、迅速な実態把握と分析を進め、早急に対策を取っていただきたいと思います。  そこで、お伺いいたします。  第1は、自殺対策についてです。警視庁統計によると、愛媛県の10月までの自殺者数は178人で、全国と同様に7月以降増加傾向にあります。自粛による孤独感、仕事を失った不安などを感じている方、どうか一人で抱え込まず、相談窓口につながっていただきたいと思います。県下の自殺の実態及び相談体制の強化、窓口の周知徹底など、今後の取組についてお答えください。  第2は、差別的扱いの解消に向けた取組についてです。感染者だけでなく、女性が多いエッセンシャルワーカーなどへの誹謗中傷、差別的な言動は看過できません。県議会は、6月議会に差別や偏見等の根絶に関する決議を上げました。愛媛県は、「STOP!コロナ差別~愛顔を守ろう~」キャンペーンを行い、相談窓口を広報しています。今後、差別や偏見等の具体的な事例に対処するために、実態調査を行う必要があります。県の考えを示してください。  第3は、就労支援について伺います。女性不況と自殺者の増加の関係に細心の注意を払うべきです。自殺対策と連携して、就労や職業訓練等に結びつける支援の強化を図っていただきたいと考えますが、御所見をお示しください。  次に、ALS患者の在宅支援についてお伺いいたします。  今年7月、難病ALS患者であった女性の依頼を受けて、薬物を投与し死亡させた嘱託殺人で2人の医師が逮捕されました。衝撃的な事件です。その後、安楽死を認めてほしいなどの声が上がっていることに対し、参議院議員舩後靖彦さんは当事者の立場から、「こうした考え方が、難病患者や重度障害者に「生きたい」と言いにくくさせ、当事者を生きづらくさせる社会的圧力を形成していることを危惧する」と強い懸念を示し、死ぬ権利よりも生きる権利を守る社会にしていくことが何よりも大切であり、重篤な病でも、自らの人生を生きたいと思える社会をつくることが、ALSの国会議員としての私の使命と確信していると締めくくっています。私はこの言葉に、訪問看護を経験した者として強く共感しました。  また、日本ALS協会は、この事件へのコメントの中で、闘病中、そのつらさからALS患者さんが死にたいと関係者に吐露し依頼することは珍しいことではなく、ALSで生じた悲しい出来事は、患者が社会的に孤立した状況で起きていること、社会的介護保障の格差などの課題や治療法が確立していないことから、病気進行に伴う精神的苦痛や制度支援が追いつかない課題があることを示しています。  この事件によって、私たちの社会は、人工呼吸器をつけた難病患者さんが自分らしく生きられる社会なのかが問われ、そのために課題を解決していかなければならないと改めて考えさせられます。  2009年、日本ALS協会愛媛県支部が設立され、私も設立総会に同席させていただきました。ある御家族から、人工呼吸器をつけた妻の介護のために、結婚して他県にいた子供が帰ってくれたものの、高齢の自分一人では担い切れず、戻るに戻れない状況が長年続いているという深刻な実態を伺い、在宅支援の充実を切に願いました。  2019年12月現在、県内の患者さんは95名、うち入院・入所26名、在宅69名、人工呼吸器装着者は21名です。患者さんの8割は60歳以上、高齢化も進みつつあります。以下、質問をいたします。  第1は、重度訪問介護サービスについて伺います。24時間介護が必要な難病患者や重度障がい者の方にとって、なくてはならないサービスです。県下に201事業所の登録がありますが、事業所を決めるに当たり、選択の余地もない、地域や病態によって引き受ける事業所がないという厳しい声も伺っています。重度訪問介護サービスの利用状況と実情をどのように認識しているのでしょうか。  また、地域格差なく選択の幅が広がるよう、人材を育成し、登録事業者を増やす対策に取り組んでいただきたいと考えますが、御所見をお聞かせください。  第2は、喀たん吸引について伺います。気管切開及び人工呼吸器を装着する患者さんにとって、吸引は必要不可欠です。特に在宅において、夜間の吸引は家族の負担が大きく、対応できる事業所の拡大が求められます。1、2号研修は、認定者を増やすため、さらなる広報に努める、3号研修は受講料への補助、必要時に随時実施できる体制にするなどが求められます。今後のさらなる充実策についてお示しください。  第3は、災害時の難病患者の避難について伺います。難病患者が避難するに当たって、地域、介護事業所、病院等の協力の下、個別に避難計画を策定しておく必要があります。市町ごとの難病患者の個別計画の策定状況及び相談窓口の設置状況はどうなっているのか。また、策定率の向上に向けて、今後、県としてどのような支援に取り組むのかお答えください。  次に、小さな命を大切にする社会は、人間にも優しい社会との思いから、動物愛護について質問いたします。  地域には、個人、団体を含め、ボランティアでTNRや譲渡等に取り組んでいる方々はたくさんいらっしゃいます。ところが残念ながら、環境省のデータによると、愛媛県は、2018年度に1,987頭の犬猫を殺処分し、政令市、中核市を除く都道府県では、3年連続で犬猫殺処分全国一となりました。心が痛みます。  現在、この先10年を見据えて、動物愛護管理推進計画を見直しているところです。殺処分日本一の汚名を返上できるよう、さらなる殺処分を減らす対策の強化を求め、以下、質問します。  第1は、犬猫の引取り及び殺処分について伺います。2019年度は、2012年度比で引取り数約38%、殺処分数約60%減少し、一定の成果があったとしています。しかし、直近の減少幅は小さく、逆に2019年度は引取り数が増えています。今のマンパワーと取組では、これが限界かとも考えます。本県における犬猫の引取りと殺処分の現状をどのように分析しているのか伺います。  第2は、地域猫について伺います。2015年度に地域猫活動ガイドラインを作成し、リーフレットで広く周知、セミナーを開始しているとのこと。私のところにも、地域猫活動を始めたという報告が次々届いています。  一方、地域での合意の難しさや不妊・去勢手術の経済的な負担の大きさなど様々な課題も見えてきました。今年度から、県内3か所でモデル事業を実施しているようです。市町での地域猫活動の実施状況と、今後の地域猫に関する課題にどう取り組むのかお答えください。  第3は、犬猫の譲渡について伺います。愛媛県の譲渡率は2018年度14%、2019年度13%で、全国的に大変低い数字です。今後、譲渡にもっと力を入れていく必要があると思います。今の体制で譲渡率を上げることが可能なのかも疑問です。また、動物愛護センターのホームページやSNSなども使って、積極的にアピールすることも可能ではないかと考えます。犬猫の譲渡推進に向けた今後の取組についても示してください。  第4は、犬猫の遺棄について伺います。市町で動物を遺棄する特定の場所があるとの報告を受けました。看板等を設置しているところもあるようですが、市町と連携した犬猫の遺棄の実態把握とその対策が必要ではないでしょうか、お答えください。  第5は、シェルターの設置について伺います。昨年、先進地川崎市の動物愛護センターアニマモールを視察しました。そこに殺処分の施設はありませんでした。2018年度、川崎市の返還を除く譲渡率は6割で、一時的な保護がメインの、動物と触れ合える心地のいい施設でした。一日も早く愛媛県も殺処分施設は廃止し、シェルターへと転換することが求められてきます。今回の動物愛護管理推進計画改定において、シェルターの設置に向けた方向性を示すべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、伊方原発の乾式貯蔵施設についてお伺いいたします。  2011年3.11から10年目を迎えようとしています。廃炉の道筋が見えないまま、たまり続ける汚染水を海洋放出しようとしている福島第一原発を見るにつけ、苛酷事故を起こした原発の厳しい現実を日々突きつけられます。この教訓から、政府は脱原発へとかじを切るべきであるにもかかわらず、原発の安全という幻想を追いかけ、今に至っています。  さて、伊方原発3号機は、今年1月に広島高裁で2度目の運転差止め仮処分が決定し、止まっています。来年3月の広島高裁の異議審で仮に決定が覆ったとしても、特重施設建設の遅れから稼働できない状況は続きます。  今年3月の愛媛新聞の世論調査では、稼働に否定的な意見が68.8%、原発の安全性に不安とやや不安の回答は合わせて89.1%、過去と比較しても変わっていません。真っ当な県民の意見です。1号機は運転開始から39年で、2号機は36年で廃炉になりました。3号機も40年運転まであと14年です。  6月議会の質問でも示しましたが、電気は足りているのですから、ハイリスクな原発にしがみつく必要はありません。全国の原発54基のうち、21基は廃炉となり、どこの原発にも行き場のない使用済核燃料があふれています。にもかかわらず、政府や電力会社は再稼働を推し進め、新たな核のごみを出そうとしています。  先月25日、原子力安全専門部会で、使用済核燃料の乾式貯蔵施設の審議が終了し、原子力規制委員会の審査結果は妥当と判断しました。一貫して伊方ありきで進めていることに、私は納得できません。私はできる限り、この委員会を傍聴してまいりましたが、もっと委員会の開催や、そこでの議論を広く県民に知っていただく必要があると痛感しています。  第1は、原子力安全専門部会での審議について伺います。まず、乾式貯蔵施設の設置について、今まで議論されてきた内容をお示しください。議事録の公開は遅く、専門的で県民にとって分かりにくい内容です。愛媛新聞の世論調査の乾式貯蔵施設の設置に約6割の県民が反対、どちらかというと反対という結果を真摯に受け止め、愛媛県自らが、広く県民の皆さんに分かりやすく説明する場を持つべきと考えます。御所見を伺います。  第2は、搬出計画について伺います。私たち県民が懸念するのは、なし崩しに伊方が核のごみの最終処分場になることです。一時的を明確にということは、いつ、どれだけの使用済核燃料を運び出し、いつまで施設を運用するのかという計画が示されることではないでしょうか。四国電力に使用済核燃料の具体的な搬出計画を示させるべきと考えますが、県の考えを示してください。  また、現時点で六ヶ所再処理施設は完成の見通しが立っていません。核のごみを伊方原発敷地内から搬出することができないまま、キャスクの耐用年数60年を超えての貯蔵という最悪の事態を想定した場合、どのような対処方法があるのかについても、併せて県民に示してください。厄介な核のごみの問題を先送りにしてきたツケを乾式貯蔵施設という形で県民に負わせることは許されません。これ以上、伊方原発を動かし、核のごみを増やすことに断固として反対します。  次に、残土処分についてお伺いいたします。  まず、山鳥坂ダム建設工事現場の残土について伺います。今年4月、鹿野川トンネル建設工事の残土から環境基準を超えるヒ素が検出された。7月、見の越トンネル建設工事の残土から環境基準を超えるフッ素とヒ素が検出されたと発表されました。自然由来とはいえ、鹿野川トンネルのヒ素は、1リットル当たり0.01の基準値の2倍に当たる0.021㎎、見の越トンネルの残土置場9か所では、高いところでヒ素が0.015㎎、フッ素は基準値1リットル当たり0.8に対して1.5㎎を検出しています。  私は、下敷水残土処理場などを視察してまいりましたが、雨水が浸透しないようにブルーシートで覆っていました。県は約5,000万円をかけて、管理型処分場へ搬出し、国はそのまま残土処分場で封じ込める対策を取ると10月に決定しています。ヒ素やフッ素の水質への影響、県と国の対応に違いがあることへの疑問など、地元で不安の声も上がっています。  そこで、質問いたします。  第1は、県が管理型処分場への搬出を決めた経緯とその理由について説明してください。  第2は、下敷水残土処分場について伺います。専門家や県を含む打合せの会議の場で、覆土工、底面遮水工による封じ込め対策に至ったとのことですが、その経緯と、県として妥当と判断した理由について示してください。  第3は、国工事に伴う水質検査の公表について伺います。最も懸念するのが水への影響です。県民の安全の確保の観点から、水質検査の結果は公表すべきと考えますが、県の御所見をお聞かせください。  第4は、土壌検査の在り方について伺います。昨年度、県は土砂条例を改正し、住民説明会の開催や管理台帳の作成、保管等の規定を盛り込みました。しかし、山鳥坂ダム建設工事のように、処分場に搬出した後に有害物質が検出されたことは問題で、利益が優先される民間事業者がどこまで対応できるのか疑問です。そもそも5,000立方メートルに対して1検査では、汚染土を見逃される可能性もあるのではないでしょうか。これらの問題を踏まえ、土砂条例における土壌検査の在り方を見直していただきたいと考えますが、御所見をお聞かせください。  次に、砥部町の残土処分場計画について伺います。  昨年計画されていた砥部町川登地区の残土処分場は、申請が取り下げられた直後に、また説明会が開催されており、再度申請に向けて準備されているものと考えます。  説明会での書類では、別の特定事業場の水質検査の採取場所について、県の指摘を受けたとあり、住民の皆さんは不信を抱いています。県への申請に係る経緯及びこれまで住民を巻き込みながら、申請者が申請を取り下げた理由についてもお示しください。  次に、教職員のわいせつ行為の防止についてお伺いいたします。  文科省による公立学校教職員の人事行政状況調査では、全国でわいせつ行為等による懲戒処分等を受けた者は、2018年度282人、前年度210人から増加しています。愛媛県でも教職員のわいせつ行為は後を絶ちません。2018年度2件、2019年度は、懲戒処分7件中2件がわいせつ行為によるものでした。この実態を受け、来年2月から、わいせつ行為などで懲戒免職となった教育職員の処分歴の閲覧期間が3年から40年に延長されます。教員免許を剥奪された場合の再交付の期間を3年から5年にする検討もされています。  しかし、9月28日、全国学校ハラスメント被害者連絡会は、わいせつ教員に教員免許を再交付しないでとする5万4,000筆を超える署名を文科省に提出しています。今年5月、自らも教師による性暴力の被害者であるフォトグラファー石田郁子さんは、教師による生徒への性的経験・性暴力被害アンケートを実施し、その結果を基に、文科省に政策提言を行っています。  えひめ性暴力被害者支援センター「ひめここ」のリーフレットでは、「対等でない、同意のない強要された性的行為はすべて性暴力です。レイプ・痴漢・盗撮・性的虐待・セクハラ・AV出演強要だけでなく、夫婦や恋人同士であっても性的行為を強要することは性暴力です。」と書かれています。教員という立場を利用した性暴力も許されません。日々の関係性の中で、信頼すべき教員から性暴力を受けることが、児童生徒にとって、どれほどショックが大きいことか、最大限の想像力を持って、児童生徒の人権を守るために防止対策の強化を図っていただきたいと考えます。  そこで、伺います。  第1は、教育委員会として、県内の教職員による児童生徒への性暴力の実態に対する見解をお示しください。また、児童生徒への影響について、どのように認識されているのか、併せてお示しください。  第2は、研修の充実について伺います。現在は、様々な非法・違法行為の一つとして、わいせつ行為等を取り上げる程度だとのことです。学校内の性暴力がなくならない理由の一つに、教職員や保護者の理解不足があります。だから、対処方法も不十分で繰り返されています。性暴力というテーマに特化した教職員への研修を取り入れるべきではないでしょうか、お答えください。  第3は、相談窓口の周知徹底についてお伺いいたします。相談窓口として、教育相談員、スクールカウンセラー、養護教員を挙げられますが、児童生徒や保護者への相談窓口の周知は徹底されていますか。また、相談窓口にえひめ性暴力被害者支援センター「ひめここ」も加えてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。  第4は、実態調査についてお伺いいたします。今後の対策を取るに当たって、実態把握が必要です。定期的に教職員、児童生徒へ性暴力の実態調査を行うべきではないでしょうか。  第5は、自己分析チェックシートの導入について伺います。長野、長崎県教育委員会では、わいせつ行為根絶を目指し、小児性愛の傾向とセクハラ、パワハラを起こしやすいかをはかる2種類のシートを導入しています。最近では、奈良大学今井由樹子准教授によって、教員による性加害を未然に防ぐためにチェックシートが作成されています。愛媛県教育委員会も、自己分析チェックシートの導入を前向きに検討していただきたいと考えますがいかがでしょうか、お答えください。  以上で私の一般質問を終わります。(拍手) ○(戒能潤之介議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(戒能潤之介議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 武井議員に、私の方からは、伊方原発の乾式貯蔵施設の設置に関する御質問にお答えをさせていただきます。  原子力安全専門部会では、先行事例の現地調査や国の審査結果の確認を行うなど、乾式貯蔵施設の耐震性や使用済燃料を乾式キャスクで安全に貯蔵するための閉じ込め、臨界防止、遮蔽、除熱、この4つの機能等について、8名の専門家の委員さんたちに技術的、専門的観点から厳しく審議をいただき、安全性等を確認していただいたところでございます。  また、再処理工場に搬出するまでの一時保管であることを四国電力及び国に直接確認した上で、11月25日の部会で国の審査結果を妥当と判断し、さらなる安全性向上など4項目の要望を盛り込んだ報告書が取りまとめられたところでございます。  専門部会では、公開で審議を行うとともに、審議のポイントを分かりやすく報告書にまとめるほか、県においても、議事録や関係資料をホームページで公表するなど、県民の皆さんへの情報提供に努めているところでございます。  その他の御質問に関しましては、関係理事者の方からお答えをさせていただきます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 伊方原発の乾式貯蔵施設に関する御質問のうち、初めに、県民への説明の御質問にお答えをいたします。  県では、県民への説明は、事業者自らが1軒1軒訪問し、直接説明することが最も丁寧な方法だと考え、四国電力に対し、戸別訪問などで地元住民に分かりやすく説明するよう、乾式貯蔵施設の検討段階から要請しており、同社では、県の要請を踏まえ、20キロ圏内の全戸訪問対話活動において、乾式貯蔵施設の安全性や一時保管であることについて、毎年分かりやすく説明しており、県として説明会を開催する考えはございません。  なお、同社では、コロナ禍の今年度は、新たに同施設に関する動画をケーブルテレビやホームページで放映、公開するなど、県民の理解促進に真摯に取り組んでおり、県としては、丁寧な説明を継続的に実施するよう、引き続き要請することとしております。  次に、使用済燃料の搬出計画についてお答えします。  県では、四国電力に対し、乾式貯蔵施設は、再処理工場に搬出するまでの一時的な保管であることを機会あるごとに確認するとともに、国に対しても、同施設による一時保管を含め、使用済燃料対策の着実な推進を要請しており、原子力安全専門部会でも、これらの点を確認した上で、同社の設置計画を妥当と判断したところです。  六ヶ所再処理工場は、本年7月、原子力規制委員会の許可を受け、2022年度上期竣工に向けた手続が進められており、今後、同工場の事業計画や伊方発電所の運営状況等を踏まえ、四国電力において搬出計画が作成されることとなるため、専門部会において確認することとしております。  最後に、キャスクの耐用年数を超えた貯蔵についてお答えします。  原子力安全専門部会では、四国電力が乾式キャスクを耐用年数の範囲内で運用し、使用済燃料を計画的に再処理工場に搬出する方針であることを確認するとともに、資源エネルギー庁から六ヶ所再処理工場など、核燃料サイクルの中核施設の竣工に向けた取組が着実に進んでいるとの説明を受け、さらに乾式キャスクの安全性等を総合的に確認し、設置計画を妥当と判断したところであり、乾式キャスクの耐用年数を超えて貯蔵することは想定しておりません。  以上でございます。 ○(岸本憲彦県民環境部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 岸本県民環境部長   〔岸本憲彦県民環境部長登壇〕 ○(岸本憲彦県民環境部長) まず最初に、コロナ禍による女性への影響に関する御質問のうち、差別や偏見等に係る実態調査についてお答えをいたします。  新型コロナウイルス感染症に関する誹謗中傷や差別等の実態把握につきましては、職員によるインターネット上の悪質な書き込みに関するモニタリングのほか、県人権啓発センターやこころのホットラインにおける相談、法務局及び市町、関係機関との情報共有、関係団体との連絡会の開催等により対応しているところでございます。  県といたしましては、今後とも、あらゆる機会を通じて、新型コロナウイルス感染症に関する差別や偏見等の実態把握に努めることとしております。  続きまして、山鳥坂ダム建設工事現場の残土に関する御質問のうち、下敷水残土処理場の封じ込め対策に至った経緯等についてお答えをいたします。  見の越トンネル工事の事業者である国土交通省山鳥坂ダム工事事務所では、まず、下敷水残土処理場の周辺に水道水源や飲用井戸がないことを確認し、応急対策等を実施いたしました。その後、水質や地質に関わる専門家を構成員とし、県や地元大洲市をオブザーバーとする検討会において、国のマニュアルや全国の事例を参考に対応策について検討した結果、汚染物質が地下水に混入することを防止するため、粘土を敷き詰める底面遮水工を採用したものであり、施工後も定期的に水質検査が実施されるほか、大洲市からも異論がなかったことから、県といたしましても支障がないものと考えております。  次に、水質検査の結果の公表についての御質問でございますが、水質検査の結果につきましては、県民の安全・安心の確保のため、事業者または土地提供者において公表すべきものと考えております。  なお、今回の国工事に伴う水質検査の結果につきましては、基準超過は確認されておりませんが、国土交通省山鳥坂ダム工事事務所が逐次、周辺住民に対し、チラシの配布などにより周知を行っており、昨日、ホームページにおいても公表済みでございます。  次に、土砂条例における土壌検査の在り方に関する御質問でございますが、土砂条例は、昨年度、土砂等の搬入時の展開検査や違反者に対する改善命令の導入などを盛り込んだ条例改正を行っており、全国的に見ても厳しい内容となっております。同条例では、特定事業場への搬入前の土壌検査を採取場所ごとに1回、さらに採取土砂量が5,000立方メートルを超えるごとに1回行うことを義務づけておりますが、こうした検査方法は、土壌汚染対策法や他県のほとんどの条例におきましても採用されております。さらに、土砂搬入後の定期的な水質検査も義務づけ、適正な土砂の埋立てを確保できるようにしておりますことから、土壌検査の在り方を見直す考えはございません。  最後に、砥部町における残土処分場計画に関する御質問にお答えいたします。  砥部町川登地区における残土処分場計画は、事業者から令和元年11月6日に土砂条例の規定に基づく許可申請書が提出され、処分場の構造基準の審査や地元砥部町に対する意見聴取を行っておりましたが、令和2年5月25日に取下げ書が提出され、県は同日、これを受理しております。  取下げ理由につきましては、取下げ書によれば、当該事業につきまして、複数回にわたり、下流域の地元住民に対する説明会を開催いたしましたが、十分に住民の不安を解消できていないこと、申請受理から半年が経過していることなどが挙げられております。  以上でございます。 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高橋保健福祉部長   〔高橋敏彦保健福祉部長登壇〕
    ○(高橋敏彦保健福祉部長) コロナ禍による女性への影響の御質問のうち、自殺の実態、相談体制の強化の取組についてお答えいたします。  本県の令和2年の自殺者数は、10月末現在で前年比19人減となっている一方で、本年7月からの4か月間では、前年比8人増となっております。また、男女比は昨年末と同様、おおむね男性7割、女性3割で推移しております。  県では、コロナ禍において、ストレスの増大が懸念されることから、本年5月に新型コロナウイルス感染症こころのホットラインを開設するとともに、今後とも、県・市町のホームページやチラシなどにより、相談窓口の周知に努めることとしております。  次に、ALS患者の在宅支援のうち、まず、重度訪問介護サービスの利用状況の取組についてお答えいたします。  重度訪問介護の利用状況は、令和2年3月の利用者は78人、利用時間は2万5,493時間と、平成28年3月と比べると、利用者で約8%、利用時間で約21%増加しており、重度の障がい者が地域で安心して生活できるよう、引き続きサービスを提供する体制の充実を図っていくことが必要と認識しております。  このため、県では、専門性の高い介護従事者を育成するとともに、介護従事者の処遇改善や事業所の経営の安定に資するため、障害福祉サービス等、報酬の加算取得を支援しており、今後とも、利用者にきめ細かいサービスが行き渡るよう努めることとしております。  次に、喀たん吸引についてお答えいたします。  県では、1、2号研修について、制度概要や登録研修機関の紹介などを県ホームページに掲載し周知しているほか、事業所等や介護従事者からの問合せにも丁寧に対応しているところでございます。  また、3号研修については、事業所が介護従事者に研修を受講させ、喀たん吸引等をさせた場合にサービス等の報酬の加算がある制度であることから、受講料を補助する予定はありませんが、県では研修体制の強化に努めており、今後とも、吸引等を必要とする方々のニーズに応えられるよう、人材確保の取組を進めることとしております。  次に、市町ごとの難病患者の個別計画の策定状況についてお答えいたします。  難病患者を含む避難行動要支援者全員の個別計画を策定しているのは1市3町で、残りの市町も順次策定を進めており、避難行動や計画に関する相談には、各市町の防災・福祉担当部署が連携して対応しております。  一方、保健所では、医療依存度の高い難病患者それぞれの避難所情報や移送手段等を記載した防災カードを作成し、市町など関係機関と情報共有することで、災害時の避難支援につなげております。  また、県では、個別計画の策定に当たり、重要な役割を担う自主防災組織、民生委員やケアマネ等を対象とした研修会を本年9月に開催するなど、市町の計画策定を支援しているところです。  次に、動物愛護の御質問のうち、まず、犬猫の引取りと殺処分の現状についてお答えいたします。  県では、県民と協働し、動物愛護思想の普及と適正飼養の徹底を図っており、犬猫の引取りや殺処分頭数は、平成24年度以降、年度によって変動はありますが、着実に減少しており、他県のような動物愛護団体等への大量譲渡は、団体等の過度な負担になり、飼育環境悪化等の問題も指摘されていることから、本県では、引き続き地道な努力を積み重ね、引取り頭数等の着実な削減を図ることとしております。  また、引取り頭数の約8割を占める猫の引取りを減少させることが課題と認識しており、本年度から東・中・南予にモデル地区を設け、地域猫活動の普及を図るとともに、引取り頭数の削減に向けた活動である動物愛護サポーター制度を導入し、猫の引取り、殺処分頭数のさらなる減少につなげることとしております。  次に、地域猫活動の実施状況についてお答えいたします。  県で把握している範囲では、地域猫活動は、現在4市2町で実施されており、今後、地域住民の理解と関心を深め、県下全域へ広げていくことが課題と認識しております。このため、県では、本年度、地域猫活動推進モデル事業を東・中・南予地域で実施しており、この成果を地域猫活動セミナー等において実例として紹介することにより、他の市町における今後の普及に生かしていくこととしております。  次に、犬猫の譲渡推進についてお答えいたします。  県では、譲渡を推進するため、引き続き関係機関と連携しながら、動物愛護センターのホームページ等を通じて、譲渡に関する情報を広く県民に周知していくとともに、動物愛護や適正な譲渡の推進を図るため、本年度設けた動物愛護サポーター制度を活用し、譲渡機会の拡大を図り、譲渡率の向上に努めることとしております。  次に、犬猫の遺棄の実態把握についてお答えいたします。  市町や県民から遺棄事案の通報があった場合は、直ちに保健所及び動物愛護センターで情報を共有するとともに、必要に応じて、市町と連携して遺棄現場の確認を行うなど、個別に実態を把握しております。  また、犬猫の遺棄は、罰則を伴う犯罪であることから、県及び市町、関係団体では、ポスターの活用やホームページ等により、遺棄防止の啓発に努めております。  最後に、県動物愛護管理推進計画の改定の方向性についてお答えいたします。  県では、病気等の治癒の見込みがないなど、譲渡に適さない動物を収容し続けることは困難であることから、今回の動物愛護管理推進計画の改定に当たり、動物愛護センターを殺処分施設を伴わない収容施設に転換する方向性を示すことは考えておりませんが、今後とも、可能な限り犬猫の引取り及び殺処分の抑制に努めるとともに、適正飼養の徹底など動物愛護思想の普及啓発を図り、人と動物が共生する豊かな地域社会の実現に向けて取り組むこととしております。  以上でございます。 ○(東野政隆経済労働部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 東野経済労働部長   〔東野政隆経済労働部長登壇〕 ○(東野政隆経済労働部長) コロナ禍による女性への影響に関する御質問のうち、就労支援の強化についてお答えをいたします。  新型コロナにより、離職や休業を余儀なくされた女性に対しましては、生活安定とそれに続く就労支援が重要であり、県では、離職者等緊急生活資金の支援対象を休業者に拡大するなど、経済的支援の強化を図っているほか、ジョブカフェ愛workでの感染防止に留意したオンライン相談、面接指導や産業技術専門校でのひとり親家庭の優先受入れ、託児サービスの実施など、個別の助成の実情に即したきめ細かな支援の充実も行っており、今後とも関係機関と連携し、コロナ禍における就労支援の強化に努めることとしております。  以上でございます。 ○(葛原健二土木部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 葛原土木部長   〔葛原健二土木部長登壇〕 ○(葛原健二土木部長) 残土処分に関する御質問のうち、処分場への搬出理由についてお答えをいたします。  県施工の鹿野川トンネルの掘削土砂につきましては、将来、他の工事に活用するため、仮置きをしていましたが、土壌調査を行ったところ、その一部から環境基準を超えるヒ素が検出され、速やかに処分する必要が生じたため、管理型処分場へ搬出したものでございます。  以上でございます。 ○(田所竜二教育長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 田所教育長   〔田所竜二教育長登壇〕 ○(田所竜二教育長) 教職員のわいせつ行為の防止に関する5つの御質問のうち、まず、性暴力の実態に対する見解と影響についてお答えをいたします。  本県では、教職員の児童生徒等へのわいせつな行為を理由とする懲戒免職事案が、平成30年度及び令和元年度にそれぞれ2件発生しており、こうした忌むべき事案がいまだに根絶されない事態を深刻に受け止めております。  児童生徒を守り育てる立場にある教職員のわいせつな行為は、被害者はもとより、周囲の子供たちの心身に甚大な影響を及ぼすだけでなく、教育に対する県民の信頼を著しく損ねるものであると認識いたしておりまして、当該教職員については、原則として懲戒免職とするなど厳正に対処しているところでございます。  次に、性暴力に特化した研修を取り入れるべきとのお尋ねについてお答えをいたします。  県教育委員会では、初任者から管理職に至る階層別研修を実施する中で、わいせつ行為の未然防止に関する内容を必ず取り上げ、立場に応じた対策の徹底を図っております。  また、わいせつ行為が続いたことも踏まえ、今年度から小中学校の初任者研修にコンプライアンス講座を追加したほか、県立学校でも、平成30年度から不祥事の未然防止を目的とする委員会を全校に設置し、校内研修等による規範意識の醸成を図り続けておりますことから、性暴力防止に特化した研修を特別に実施することは考えておりません。  次に、相談窓口の周知についてお答えいたします。  相談窓口として、スクールカウンセラーやハートなんでも相談員など、240人の相談員が各学校に配置されており、それぞれの相談可能な日時や相談方法などの情報は、学校ホームページや学校通信、校内掲示などにより、児童生徒及び保護者にしっかりと周知しております。  また、えひめ性暴力被害者支援センター「ひめここ」につきましても、本県唯一のワンストップ支援センターとして、センターの情報を各学校から児童生徒に周知するとともに、被害があった場合には、センターなど関係機関と連携しながら適切に対応を行うよう、県立学校及び市町教育委員会に通知いたしております。  次に、性暴力の実態調査を行うべきとのお尋ねにお答えいたします。  児童生徒の抱える悩みにつきましては、各学校において、スクールカウンセラーや学級担任などによる個別相談に加え、小中学校では月1回程度、県立学校では各学期に1回程度、全ての児童生徒を対象にアンケート調査を実施しておりますほか、中高生を対象としたSNSによる相談事業も実施するなど、多様な手段により、状況把握に努めております。  また、教職員につきましても、管理職による定期面談に加え、各学校にセクハラ相談員を常設し、状況把握と組織的対応に努めており、現段階では、性暴力に係る実態調査を行う考えはございません。  最後に、自己分析チェックシートの導入についてお答えいたします。  本県では、従来から不祥事防止のためのチェックリストを独自に作成し、その中で、わいせつ行為を誘発しかねない具体的な行動の有無や心構えについても定期的に自己点検し、行動規範を再確認するなどの対策を講じておりますことから、お話の自己分析チェックシートを導入する考えはございませんが、今後とも、他県での事例等も参考にしながら、必要なチェックリストの改訂は行っていくこととしております。  以上でございます。 ○(武井多佳子議員) 議長 ○(戒能潤之介議長) 武井多佳子議員   〔武井多佳子議員登壇〕 ○(戒能潤之介議長) 初めに、再質問の項目番号を誤りなく全部述べてください。  また、複数の項目について再質問を行う場合は、1問ごとに項目番号を述べてから質問を行ってください。  残りの質問時間は1分44秒です。 ○(武井多佳子議員) 再質問をいたします。  3の(2)、そして、4の(2)のアとイ、そして、5の(1)のエと6の(2)について再質問いたします。  最初の3、動物愛護、(2)市町での地域猫活動の実施状況、そして地域猫に関する課題に今後、どう取り組むのか。3か所でのモデル事業のことをセミナーで報告するという成功事例の報告だと思いますけれども、今後、課題にどう取り組むのかということについては、お答えがなかったと思います。今、既に課題が浮かび上がっている、その点についてお答えいただきたいと思います。  次に、4、伊方原発の乾式貯蔵についての(2)使用済核燃料の搬出についてのアとイです。ア、四国電力の使用済核燃料の具体的な搬出計画を示させるべきと考えるがどうかということについて、随時確認しているということなんですけれども、ここで私は、いつどれだけの燃料を運び出し、いつまでの運用をするのかという具体的なことを示しています。その点についてお答えいただきたいと思います。  次に、イについて、耐用年数を超える最悪の事態を想定していないということなんですけれども、これは委員会の中でもこのことは議論されていたと思うんです。それについて、県はどう考えているのか、もう一度お答えいただきたいと思います。  次の5の残土処分についての(1)の中のエの部分なんですけれども、土砂条例は他法もあり、見直さないということですけれども、5,000立方メートルに対しての1検査で汚染土が見逃されていたということについて、どう考えているのかもお答えいただきたいと思います。  次、最後の教員のわいせつ、時間が……。 ○(戒能潤之介議長) 質問時間が終了いたしました。質問を終了してください。  理事者の答弁を求めます。 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 福井防災安全統括部長   〔福井琴樹防災安全統括部長登壇〕 ○(福井琴樹防災安全統括部長) 再質問にお答えいたします。  問いの4の(2)のア、搬出計画の再質問でございますけれども、具体的な搬出計画の確認というようなお問合せだったと思いますが、先ほどもお答えしたとおり、四国電力の搬出計画、こちらは六ヶ所再処理工場の事業計画策定後につくられることになります。  県としては、四国電力や資源エネルギー庁に対し、発電所での保管は、再処理工場に搬出するまでの一時保管であり、核燃料サイクルを着実に推進していることをしっかり確認したところでございます。乾式貯蔵施設の設置につきましては、専門部会の親会である管理委員会の意見、県議会での議論、地元伊方町の意見などを踏まえて、最終的に判断することとしております。  続きまして、キャスクの耐用年数を超えた貯蔵のところで、県としてどう判断しているのかというような再質問でございましたけれども、先ほどお答えしたとおり、専門部会では、六ヶ所再処理工場、こちらが本年7月に原子力規制委員会から設置許可を受けるなど、竣工に向けた取組が着実に進んでおり、また、四国電力はキャスクの耐用年数内で運用し、計画的に搬出する方針であることを確認して、専門部会で設置計画を妥当と判断したところであり、乾式キャスクの耐用年数を超えて貯蔵することは想定をしておりません。  県としての判断につきましては、先ほどお答えしましたが、専門部会の親会である管理委員会の意見、それから県議会の議論、地元伊方町の意見などを踏まえて最終的に判断することとしております。  以上でございます。 ○(岸本憲彦県民環境部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 岸本県民環境部長   〔岸本憲彦県民環境部長登壇〕 ○(岸本憲彦県民環境部長) 土壌検査の在り方に関する再質問にお答えをさせていただきます。  先ほどの御質問では、5,000立米の検査において見逃されていたというふうなことの趣旨であったかと思われますが、国工事の場合はそもそも土砂条例の対象になっておりませんので、搬入前の5,000立米の検査の対象ということにはなってございません。  なおかつ、本県の土砂条例は、平成12年に全国でも先進的な条例として制定されておりますが、土壌検査につきましても、制定以来、同様の検査方法で実施しておりますが、現在に至るまで、汚染土砂による水質汚濁の事例は発生しておりません。一応、申し添えておきます。  以上でございます。 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 議長 ○(戒能潤之介議長) 高橋保健福祉部長   〔高橋敏彦保健福祉部長登壇〕 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 問いの3の(2)、地域猫活動の再質問についてお答えいたします。  課題の認識につきましては、本年度、推進モデル事業を東・中・南予で実施しておりまして、その成果を地域活動セミナーにおいて実例として紹介して、先ほど答弁させていただいたとおり、他の市町における今後の普及啓発に生かしていくこととしております。  以上でございます。 ○(戒能潤之介議長) 再質問のうち、項目番号6の(2)は、質問が行われなかったため、答弁は不要です。  休憩いたします。  午後1時から再開いたします。      午前11時58分 休憩    ―――――――――――――――――      午後1時 再開 ○(徳永繁樹副議長) 再開いたします。
     質疑を続けます。 ○(塩出崇議員) 議長 ○(徳永繁樹副議長) 塩出崇議員   〔塩出崇議員登壇〕 ○(塩出崇議員) (拍手)愛媛維新の会の塩出崇です。  ここ数か月は、自由とは何か、民主主義とは何かを深く考えさせられ、そして、落胆させられた時間でした。自由と放恣、つまり勝手気ままとは異なると教えられたことがあります。リバティーとライセンスと教えられたと記憶しております。この二者の間で分断が生まれ、民主主義の模範であるかのように思われていた国家は、はかなくも崩壊してしまったかのようであり、見る影もありません。民主主義が、このように脆弱なものであるとは考えてもみませんでした。「人間は考える葦である」とも教えられました。考えて考えて議論を尽くし、議論を交わして、そこにより高次の合意を生み出すのが人間であったはずです。  コロナ禍の日本においても、自粛警察という言葉ができました。同調圧力という言葉も聞きます。知と情は異なります。知は軽んじられ、情に生きることがまことなのでしょうか。誤った情報が拡散され、その中から勝手気ままに自らの生き方を選び、それを是として人に押しつけることに危うさを覚えます。  加戸守行前知事は、惻隠の情という言葉を大切にされておられました。惻隠の情とは、「孟子」公孫丑上にある言葉で、惻隠の心は仁の端なり、思いやりは最高の善であるとされています。孟子の考えは王陽明の王学、すなわち陽明学となり、その流れを受け継ぎ、母親への孝を貫くために大洲藩士の身分を捨てた中江藤樹は日本の陽明学の祖となり、思いやりは知行合一、江戸しぐさとして、日本人の温かい人間関係を形づくってきました。  愛媛県は、中江藤樹を育てた土地です。感染者、医療従事者への思いやりを表すシトラスリボンが生まれた土地です。今、コロナ3度目の波が訪れていますが、憂患に生まれ安楽に死す。物事に対する正しい判断力と温かい思いやりの心を持って立ち向かいたいとの意思を明確にしつつ、質問させていただきます。  まずは、世界の2つの潮流、環境とデジタルを中心に質問させていただきます。  初めに、二酸化炭素排出量の削減に向けた取組についてお伺いいたします。  地球上の生物の6度目の大量絶滅が迫っているという説があります。これまで生物は5度の大量絶滅を経験しており、原因は気候変動、火山の噴火、巨大隕石の衝突などでしたが、今直面しているのは、我々人類の活動に関係した環境破壊によるものであります。  大量の生物の種が消えていく一方で、地球の人口は増え続けております。1800年頃に約10億人だった世界の人口は、第二次世界大戦前の1930年には20億人に達したとされ、100年以上かけて2倍となりましたが、その僅か約80年後の2011年には70億人を突破したとの国連報告があります。地球の限りある資源で、今後も増加が予想される人口を支え切れるのか、危惧するところであります。  地球温暖化を原因とする気候変動によって、豪雨災害が多発していることは御承知のとおりです。今年10月、気象庁気象研究所や東京大学等の研究チームが発表した最新の数値シミュレーションを用いた研究結果では、1850年以降の工業化に伴う温室効果ガス排出による地球温暖化の影響を受けている現在と、影響がなかったと仮定した場合とを比較すると、平成30年7月、瀬戸内地域においては、西日本豪雨に相当する大雨の発生確率が3.3倍になっていたことが示されました。  このように数値化され、研究結果が示されたことで、我々が持つ漠然とした危機感がより現実的なものとして実感でき、地球温暖化の影響の問題が社会に広く理解され、併せて防災意識の向上にも大きく資するものと思われます。  また、豪雨に限らず、地球温暖化の影響は多岐にわたります。ますます巨大化する台風の発生、気温や降雨量の変化による様々な感染症の増加、熱中症リスクが高まること、農林水産物の品質低下や収穫量減少、また、大規模な森林火災の発生など、毎年繰り返されるこれらの災害の損失額を合算すれば、いかほどの額になるのでしょうか。  外務省ホームページ二酸化炭素排出量の多い国ランキングを見ると、CO2排出量は中国が第1位、米国が第2位、そして日本は5位ですが、5位だから許容されるものではありません。国家としての責任はもとより、CO2排出企業、そして、日々の生活の様々な場面で、CO2を排出する私たちがどれほどの責任を感じているのでしょうか。今、我々のなしたことが、次世代の人々にとって悪い結果をもたらすことは必定です。  菅首相は、10月26日の所信表明演説で、温室効果ガスの排出量を2050年までに実質ゼロにする目標を掲げました。既に表明している約120か国にやっと追いつく形での表明ですが、設定目標が明確にされたことは高く評価されるべきものと思います。  経済界でも、一部の国内大手銀行は、石炭火力発電所向けの融資残高を2040年度を目途にゼロにする方針を打ち出したり、再生可能エネルギー関連への投融資を今後の注力分野と表明しています。  個人投資家も、コロナ禍を契機に、環境、社会問題、企業統治に関する課題、いわゆるESGに関連した投資信託などに投資対象を広げているとの報道も耳にします。地球温暖化の防止に向けた取組によって、企業の価値が評価される時代なのです。  国も、温室効果ガスの削減につながる生産設備への投資優遇税制の導入、研究開発支援に基金を設けることなどの検討を行っています。社会の流れは脱炭素の方向に向かっています。脱炭素や再生可能エネルギーを推進していくことは、防災・減災、企業のビジネス創出、地域創生など様々な分野で将来の伸びが大いに期待できるものと確信しております。  そこで、お伺いいたします。  このたびの菅内閣の表明を受け、CO2削減のため、さらなる取組を積極的に展開すべきと考えますが、県として、第三次えひめ環境基本計画に掲げている脱炭素社会の実現に向けて、緩和策や適応策にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。  次に、デジタルトランスフォーメーション、DXについてお伺いいたします。  現在、県では、デジタル総合戦略(仮称)の策定に取り組まれており、その決定は来年2月と聞いております。戦略策定の背景は、デジタル技術を地域課題の解決に効果的に活用するため、県が目指すべき姿や行政サービスのデジタル化、データ活用、セキュリティー対策などの多様な分野に共通する課題解決の方針、さらには、重点分野の戦略的なICT技術の活用策について、外部専門家の専門的な知見も活用しながら検討を進めるとされており、まさにあまねく産業や社会生活にデジタル技術が組み込まれる時代に即した取組であると強く期待するところであります。  マーケティング分野の世界的大家であるフィリップ・コトラー教授の「デジタル化するか、さもなくば死か」の言葉が示唆するとおり、データ、情報革新が既存の産業に破壊的な影響を与えております。御案内のとおり、日本の自動車メーカーのライバルは、自動運転研究で先行するグーグルなど海外の巨大IT企業に変化するなど、現在、様々な分野で、これまでの業界や企業のビジネス領域の壁が破壊される事態が起こっており、この流れはますます加速、拡大するものと思います。  中村知事におかれては、先見の明を持って、平成30年度には、県庁内に全国に先駆けてデジタルマーケティングを専門に担当する部署を設置され、デジタルを活用した情報発信も積極的に推進された実績をお持ちです。今回策定される総合戦略においても、県全体のデジタル化やDXに取り組むことで、地域振興や県民の生活の向上につながる成果、実需にこだわり、戦略の目的とするところをぜひとも達成していただきたいと思います。  そこで、今後、戦略の実効性を高めていただくために、何点か述べさせていただきます。  まずは、デジタル分野で、日本がなぜ世界に後れを取ったのかということです。国は、平成13年に5年以内に世界最先端のIT国家になる目標を掲げ、平成25年にも、2020年までに世界最高水準のIT利活用社会を実現するとの宣言を閣議決定していますが、結果は御承知のとおりです。  行政のデジタル化や国民生活におけるIT利活用の面で、なぜ世界の中で日本が遅れている結果になったのかを解明し、その原因を検証することは、本県のDX推進のためには不可欠と考えます。  次に、デジタルディバイドと言われる情報格差についても配慮する必要があります。  先般、朝日新聞朝刊の短歌投稿欄、朝日歌壇に言い得て妙の投稿があったので、紹介いたします。    詳しくはホームページを参照と    アナログ人間置き去りにして  作者の年齢は分かりませんが、私自身も、DXの波についていけるかどうか不安であります。今は、急激なデジタル化が進む過渡期であり、将来的には年齢などの垣根なく、誰もがITを利活用できる社会となり、デジタル化の恩恵を享受できるようになると確信しています。  しかし、デジタル化が進むことで、インターネットや最新の情報機器を使いこなせる人とそうでない人の間に、収入面や労働条件面の格差が発生し、その差がさらに広がることが懸念されます。また、個人間だけではなく、デジタル化が進む地域と、そうでない地域に生ずる格差も考える必要があるでしょう。  デジタル化の過渡期である現在、置き去りにされるデジタル難民をなくし、真の県民本位のDXを達成するためには、こうした弱い立場の方々の存在を忘れてはなりません。ぜひとも愛媛県をDX先進県に、デジタルでつなぎ切り開く、活力と安心感あふれる愛顔のえひめを実現していただくことを強く期待しております。  そこでまず、注視すべきことは、国は来年9月にデジタル庁を立ち上げ、職員約500名、うち民間から100名から150名程度のIT人材を確保したいという方向で進んでいるということです。県や県内市町においても、行政サービスのデジタル化やその高度化のためには、IT人材の活用は必須であります。今後のIT技術の発展に伴って、官民問わず、さらなるIT人材争奪戦が厳しくなることが考えられます。  そこで、お伺いいたします。  こうした中で、県は、総合戦略の目的達成に向けて必要となるIT人材をどのように育成・確保されるのか、御所見をお示しください。  また、デジタル先進県を目指していくには、セキュリティーの問題について心を砕く必要があり、お伺いいたします。  今もそうですが、DXが進行すれば、金よりも銀よりも情報の価値がさらに上がります。先日、東証一部上場企業で、ゲームソフト開発を行っているカプコンがサイバー攻撃を受けました。あのような大企業でさえ攻撃され、対策に苦慮するとしたら、個人レベルで管理している情報など、悪意ある者に難なく不正利用されるのではないかと不安に感じます。もはやプライバシーを守るには、DX圏外に去ることしかないのでしょうか。  情報のデジタル化が進んだことでデータの複製や加工が簡単になり、また、大容量のデータもコンパクトに持ち運べるようになっています。このことは、デジタル化のメリットですが、一方で、情報流出などのセキュリティー上の危険も増すもろ刃の剣だと思います。  また、インターネットは世界中に張り巡らされ、海外の情報も個人で簡単にアクセスでき、また、IoTという言葉が表すように、インターネットはあらゆるものとつながる時代となっていますが、裏を返せば、どこからでもサイバー攻撃を受ける可能性があります。  デジタル化の推進は時代の趨勢であることは疑いありませんが、例えばマイナンバーカードの利活用シーンの拡大など、今後、私たちの個人情報を含むデータは、行政や民間の様々なサービスに一層活用されることが見込まれることから、サイバー攻撃や情報漏えいなどのリスクを甘く見積もることは厳しく戒める必要があります。  そこで、お伺いいたします。  県民があらゆる分野で安心してデジタル技術を活用できる社会を実現するため、県として、行政の情報セキュリティー確保に向けてどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお示しください。  次に、交通事故防止についてお伺いいたします。  車を運転する以上、危険は付き物であることは当然であり、事故をなくするためには、まず、運転者の安全意識の向上と強い責任感が求められることは言うまでもありません。  このような中で、ホンダから自動運転レベル3の車が発表され、国土交通省により世界初の型式指定を受けました。レベル2の車と比べて、事故発生時の運転者の責任が異なることが大きな違いと言われており、将来的には自動運転技術の進化により、誰もが事故のない安全な自動運転車で移動ができるようになることを期待しています。  他方、昨年、東京池袋で起きた高齢者が運転する自動車が歩行者を次々とはね、幼い子供を含む11名の方が死傷した痛ましい事故はいまだに記憶に残っております。こうした高齢者が運転する事故が近年多発していることを受け、全国的に運転免許の返納を促す動きが活発になっています。  しかし、過疎地域など公共交通機関が身近にない地域の高齢者にとって、日々の買物や病院への通院など、車は生活必需品となっている問題も内在しています。こうした厳しい社会情勢の中、県では、昨年はアンダー50の目標を達成しました。ひとえに県警をはじめ、県民総ぐるみの努力のたまものであると思います。  しかし、今年は、10月末までの交通事故状況を見ますと、発生件数は1,932件で、前年比418件減少していますが、死者数は35名と前年比で2名増加しています。うち、高齢者の死者数は24名で、5名増加しております。24名の死亡事故の中に高い割合を占めるのが、人対車8件、車両単独及び車両相互がそれぞれ6件の事故とお聞きしております。また、最近では、11月7日、10日、13日、17日に相次いで高齢者の死亡事故が発生しました。  先ほども述べましたように、車がなければ生活が成り立たない状況も理解できます。しかし、御自分が被害者になること、加害者になることを考えると、念には念を入れた運転のありようが考えられるべきであろうと思われます。  加えて、歩行者の事故も相次いでおります。本年8月に発表された一般社団法人日本自動車連盟の調査結果によると、信号機のない横断歩道一時停止率は、全国平均が21.3%、愛媛県は14.5%で、8割以上の車が停止しない状況です。  現在、県警では、歩行者を守るための横断歩道止まろうキャンペーンを展開し、「まじめえひめの停止率 まずは全国平均」のスローガンを掲げ、県民の交通安全に取り組んでおられると聞いております。県民が事故の心配することなく安心して生活できるよう、こうした取組の成果が上がることを期待しております。  そこで、お伺いいたします。  現在の交通事故の状況をどのように捉え、今後、悲惨な交通事故をなくするための取組をどう展開していかれるのか、お答えください。  次に、コロナ禍におけるひとり親家庭への支援についてお伺いいたします。  昨年の国民生活基礎調査によると、中間的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合、いわゆる子供の貧困率は、2018年時点で13.5%であり、7人に1人がそれに該当しています。また、母子家庭などひとり親世帯の貧困率は48.1%という非常に厳しい状況にあります。  先月、11月6日には、ついにコロナ失職、解雇、雇い止め7万242人という数字が出ております。生活困窮者の自立に向けての貸付け、総合支援資金、コロナ特例申請額が6か月で3,000億円超、リーマンショック後の1年分の約11倍という報道もあります。  認定NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむの調査によると、アンケートに答えた母子家庭のうち、新型コロナにより雇用収入に影響があった家庭が70.8%あり、収入減による食事の質的低下や量と回数の減少、また、母子家庭にとって大切な意味を持っていた学校給食の停止による食費の増などによる支出増という収入・支出の両面で、極めて厳しい結果が判明しております。  このことは、一般社団法人ひとり親支援協会による緊急調査でも、ほぼ同様の数値が示されており、ひとり親世帯の厳しい現実を如実に物語っております。  この状況を鑑み、国・県では、コロナ対策の一環として、ひとり親家庭向けの給付金を設けていただき、また、県内の一部市町では、独自の対策として、国給付金の上乗せを講じたところもあると聞いております。立場の弱い小さな声に耳を傾けることができてこそ、政と言えるのではないでしょうか。新型コロナの影響は各所に及んでいることは承知しておりますが、中でも、ひとり親家庭への影響は深刻なものであります。今こそ行政は、ひとり親家庭への積極的な対策を講じていただきたいと考えます。  そこで、お伺いいたします。  県では、コロナ禍における県内のひとり親家庭の現状をどう認識し、どのように支援に取り組まれるのか、御所見をお示しください。  次に、県内の社会資本整備の推進についてお伺いいたします。  地球温暖化の影響により、豪雨災害が頻発化、激甚化していることは今さら言うまでもないことであります。その上、南海トラフ地震の発生が30年以内に70%から80%と予測されている状況においては、対応策としての命を守る河川、砂防、道路などの社会資本整備は待ったなしのものです。県は、防災・減災対策に終わりなしとの明確な姿勢で様々な施策を打っていただいており、厳しい財政状況の中、優先順位をつけながら、防災・減災のために積極的に取り組んでいただいていることに感謝申し上げます。  平成30年度からは、国の防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策により、本県でも、この3年間で自然災害などに備えるための社会資本整備が一定程度進められてきましたが、この緊急対策は、今年度末に期限が到来することとなっております。こうした中、先月、自民党の国土強靱化推進本部が、菅首相に対して、災害に強い社会資本整備を進める国土強靱化施策について、来年度以降の予算拡充などを強く申し入れ、首相はしっかりと応えると回答されており、これに期待するところであります。  現在、県の土木予算を見ると、投資的経費は、国の公共事業抑制ということもあり、ピークであった平成7年度の2,245億円と比較すると約3分の1まで低下しており、公共土木施設の整備に関して、全て望むことは難しい状況であります。  しかし、公共土木施設の整備は、道路や港湾等の整備による広域交通ネットワークの形成などにより、防災の観点はもとより、地域経済の活性化を促し、県民生活の豊かさを実現するためにも必要不可欠であり、継続的に取り組むことが重要と考えます。  そこで、お伺いいたします。  県民生活の安全・安心を確保し、地域経済を活性化する公共土木施設の整備にどのように取り組んでいかれるのか、御所見をお示しください。  最後に、その社会資本整備の現場を支える建設業界の労働力確保についてお伺いいたします。  本年11月12日付愛媛新聞えひめ経済人の欄に、「大規模災害すぐ現地へ」との見出しで、県内土木会社が紹介された記事を拝見しました。全国各地で多発する自然災害復旧の第一線に立つのが、土木建設業です。本県においても、平成30年の西日本豪雨災害では、直後に、地域の土木建設業者の方々が復旧対策に尽力され、地域の守り手として、その役割を十分に果たしていただきましたことに改めて敬意を表したいと思います。  しかし、本県の土木建設業就業者の状況は、ピークであった平成12年7万8,263名が、平成27年には35%減の5万600名であり、かつ年齢構成は、若年者が減少する一方で、60歳以上の就業者数が全体の4分の1を占め、高齢化が著しい状況となっています。社会資本整備を適切に進めるために欠かせない土木建設業の現状を見るに、担い手の確保が重要と考えます。  そこで、お伺いいたします。  県は、土木建設業の担い手の確保に向けて、どのように取り組んでいかれるのか、御所見をお聞かせください。  国難とも思えるコロナ禍、加えての内憂外患、桜花を見れば静心、ボタンを見れば強大な圧力を覚える今、憂患に生まれる思いを抱きつつ、質問を終わります。  御清聴、誠にありがとうございました。(拍手) ○(徳永繁樹副議長) 理事者の答弁を求めます。 ○(中村時広知事) 議長 ○(徳永繁樹副議長) 中村知事   〔中村時広知事登壇〕 ○(中村時広知事) 塩出議員に、まず、脱炭素社会の実現に関する御質問にお答えをさせていただきます。  県では、全国で初めて、2050年の脱炭素社会の実現を本年2月策定の環境基本計画及び地球温暖化対策実行計画の双方に長期目標として掲げまして、緩和策と適応策を温暖化対策の両輪として、各種施策を積極的に推進しているところでございます。  このうち緩和策は、温室効果ガス排出量の多い産業部門で、温暖化対策を対象とする低利融資の拡充や再生可能エネルギー導入可能性調査に対する助成を行うとともに、家庭部門では、ゼロエネルギー住宅や燃料電池・蓄電池整備への補助、自転車や温泉を活用した省エネの徹底を推進することとしています。このほか、太陽光発電や電気自動車を活用したエネルギーの地産地消や二酸化炭素の吸収源である森林整備等を通じ、温室効果ガス削減に取り組んでいるところであります。  また、適応策では、県気候変動適応センターを推進拠点として、気候変動による県民生活や農林水産業への影響調査及びその対応策等の検討、動植物モニタリング調査による自然環境の実態把握等を行うとともに、その結果をセミナーなどを通じて市町や企業関係団体等へ周知していくこととしています。  このほか、温暖化の現状や適応策をテーマとしたシンポジウムや日傘利用キャンペーン等を通じ、適応策の周知や理解促進を図るなど、緩和策と合わせた総合的な施策を一層展開し、脱炭素社会の実現を目指してまいりたいと思います。  次に、デジタル総合戦略のためにIT人材をどのように育成・確保するのかの御質問でございます。  デジタル技術を活用し、活力と魅力ある地域づくりを進めるためには、地域の最前線で様々な課題と向き合う自治体職員のデジタルリテラシーを底上げし、実効性のある施策の具体化を図るとともに、高い専門性を有する外部人材等も活用し、時代の変化を先取りした本県独自のデジタル施策を積極的に展開することが重要と思います。  このため、県では、これまで大手IT企業等の協力も得て、県や市町職員を対象にデジタルマーケティングの知識等を習得する研修会を開催するとともに、今年度から、デジタルトランスフォーメーションの全体像について理解を深めるセミナーの実施や、民間事業者のデジタル人材育成への支援にも着手するなど、取組を強化しています。このほか、新たに全国公募した高度専門人材をデジタルコーディネーターとして配置し、行政運営や健康づくり、教育分野において、先駆的な施策の具体化に今取り組んでいるところでございます。  また、現在、総合戦略推進の司令塔となる最高デジタル責任者、CDOと称しますが、その選任について、外部人材の登用も含め検討を進めており、来年度以降は、CDOの下で県内大学等とも連携しながら、官民におけるデジタル人材の一層の育成・確保を図り、地域社会の幅広い分野で活躍していただくことで、本県デジタルトランスフォーメーション、DXの裾野拡大とさらなる深化につなげていきたいと考えております。  その他の問題につきましては、関係理事者の方からお答えさせていただきます。 ○(金子浩一企画振興部長) 議長 ○(徳永繁樹副議長) 金子企画振興部長   〔金子浩一企画振興部長登壇〕 ○(金子浩一企画振興部長) デジタルトランスフォーメーションに関する御質問のうち、行政の情報セキュリティー確保についてお答えします。  デジタル社会が進展し、様々なサイバー攻撃が日々巧妙化する中、悪意のあるファイルを添付した標的型メールなどへの対策や、マイナンバーをはじめとする個人情報の保護など情報セキュリティーを一層強化するには、技術と人の両面からの対策が不可欠であると認識しております。  このため、県では、技術的対策として、データを外部の脅威から遮断できる閉鎖ネットワーク内で取り扱うとともに、特にマイナンバーデータは、パスワードと生体認証による二要素認証で厳格に管理しておりますほか、インターネット利用についても、市町と共同で外部からの攻撃と内部からの情報流出を防ぐ多層的な仕組みを構築し、高度なセキュリティークラウドで監視しているところであります。
     また、テレワークでは、公用端末から安全な専用回線を介して、庁内のデータを遠隔操作し、物理的にデータを外部に持ち出せない仕組みとしております。  一方、人的対策では、全職員を対象にした研修や自己点検、セキュリティーポリシーの運用を確認する内部監査などを継続的に実施して意識啓発と実践に努めているところでありまして、今後とも、県民誰もが行政サービスのデジタル化のメリットを安心して享受できるよう、情報システムの利便性とセキュリティー確保の両立に取り組んでまいりたいと思います。  以上でございます。 ○(高橋敏彦保健福祉部長) 議長 ○(徳永繁樹副議長) 高橋保健福祉部長   〔高橋敏彦保健福祉部長登壇〕 ○(高橋敏彦保健福祉部長) コロナ禍における県内のひとり親家庭の現状についてお答えいたします。  昨年4月に県が実施したひとり親家庭実態調査によると、ひとり親家庭は約2万1,000世帯と推計され、その約9割を占める母子家庭の就業者の約半数が非正規雇用であるなど、経済力が脆弱な家庭が多く、コロナ禍での学校や事業所の臨時休業等により、子育てと仕事を一人で担うひとり親の心身には大きな負担が生じており、適切な支援が必要と認識しております。  県では、これまでも第2期えひめ・未来・子育てプランに基づき、児童扶養手当の支給や非課税世帯への医療費公費負担、資格取得などの支援に努めるとともに、10月には、全国知事会を通じ、国に対して、コロナ禍の状況で誰一人取り残されないよう、ひとり親世帯への迅速な支援を求めたところでございます。  新型コロナが及ぼす今後の影響が見通せない中、県としては、ひとり親家庭向けホームページの新設や対面だけでなく、テレビ電話による相談体制の整備を進めるとともに、引き続き、ひとり親家庭への経済的な自立に向けた就業支援の充実に取り組むなど、市町や関係団体と連携し、ひとり親世帯の自立につながる支援を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(葛原健二土木部長) 議長 ○(徳永繁樹副議長) 葛原土木部長   〔葛原健二土木部長登壇〕 ○(葛原健二土木部長) 社会資本整備に関する御質問のうち、公共土木施設の整備についてお答えをいたします。  公共土木施設は、激甚化、頻発化している自然災害などから県民の生命と財産を守るために必要不可欠な施設でありまして、県では、従来の防災・減災対策に加え、国の3か年緊急対策を積極的に活用し、緊急輸送道路の安全性や河川の治水安全度の向上など、整備を着実に進めてきたところでございます。  さらに、公共土木施設は、長期にわたって地域経済を成長させるストック効果も併せ持っておりまして、全国的に地域間競争が激化する中、高速道路ネットワークの形成や物流拠点となる港湾の整備は地域の産業を支え、また、しまなみ海道の自転車道の整備は国内外からの観光客の増大につながるなど、本県の強みを生かす重要な社会基盤となっております。  県といたしましては、今後とも、県民の安全・安心を確保するため、防災・減災対策に軸足を置くとともに、地域経済の活性化にも資する道路や港湾等の施設について、将来の人口減少等の社会情勢の変化や地域の課題に配慮し、一層の選択と集中に努めながら、多様な機能を有する公共土木施設の整備に全力で取り組んでまいりたいと考えております。  次に、建設業の担い手確保についてお答えをいたします。  建設業は、社会資本整備を進める地域の担い手として、また、災害時には最前線で住民の安全・安心を確保する地域の守り手として、なくてはならない存在でありまして、労働力人口が減少する中で、今後も建設業がその役割を果たしていくためには、担い手確保は喫緊の課題であると考えております。  このため、県では、建設産業支援の方向性を示したアクションプログラムの中で、担い手の確保・育成を最重要課題の一つに掲げ、建設業のイメージアップ、若手技術者の育成、従事者の処遇改善を主な柱とし、業界と連携した魅力体験イベントの開催をはじめ、技術者の資格取得支援や求人活動への助成、週休2日確保工事の試行などに取り組んでいるところであります。  さらに、今年度末を目途に改訂するアクションプログラムにおいて、新たな課題である働き方改革や生産性向上を柱に加え、これらに重点的に取り組む方策を位置づける予定でありまして、建設業が若者から選ばれる魅力ある産業となるよう、引き続き建設業団体や関係機関とも連携しながら、様々な担い手確保策を総合的に講じてまいりたいと考えております。  以上でございます。 ○(篠原英樹警察本部長) 議長 ○(徳永繁樹副議長) 篠原警察本部長   〔篠原英樹警察本部長登壇〕 ○(篠原英樹警察本部長) 交通事故の現状と今後の取組についての御質問にお答えいたします。  本年11月末現在、県内における交通事故死者数は43人で、前年同期と比べ5人増加し、特に議員御指摘のとおり、高齢者が大幅に増加しているほか、横断歩道を歩行中の死者は6人と前年同期の死者がゼロであったことに鑑み、極めて厳しい情勢にあるものと認識しております。  県警では、四半期ごとの事故分析結果等を踏まえた交通重大事故抑止3か月対策を推進するとともに、身体機能の低下した高齢者が関わる死亡事故も多発していることから、高齢者に対する街頭指導や自宅訪問による家族への注意喚起を行っております。  また、10月30日に横断歩行者妨害取締りプロジェクトチーム、通称歩取を発足させ、集中的な取締りを実施しております。  さらに、横断歩道止まろうキャンペーンの一環として、「まじめえひめの停止率 まずは全国平均」をスローガンに、停止率向上に向けた取組のシンボルマークを広く県民から募集するとともに、モデル横断歩道の停止率調査を実施し公表することにより、県民の注意を喚起する取組に努めているところであります。  今後も、交通事故の犠牲者が一人でも少なくなるよう、効果的な高齢運転者対策、子供・高齢歩行者保護対策等、あらゆる角度から取組を推進してまいりたいと考えております。  以上でございます。    ――――――――――――――――― ○(徳永繁樹副議長) 以上で本日の日程を終了いたしました。  明4日は、午前10時から本会議を開きます。  日程は、全議案に対する審議の続行であります。  本日は、これをもって散会いたします。      午後1時46分 散会...